ステンレス材
ステンレスは鉄にクロム等を添加して作られた材料で、品種によって含有成分やその比率が異なりますが鉄の含
有率65~80%程の合金です。
錆びやすい鉄の比率がこれだけ高いにもかかわらず、ステンレスが錆びにくい理由は、含有しているクロムと空
気中の酸素が結びついて表面に皮膜を形成する為です。
鉄素材に塗装をしたものはキズがつくとそこから錆びてきますが、ステンレスの場合はキズで露出した部位にも
含まれているクロムが空気中の酸素によって新たに被膜を作り錆びの進行を防ぎます。
板の光沢は品種ごとに違いますが、成分の違いの差というよりも表面の磨き方の違いです。同じ成分でも、鉄の
ラインで作るタンデム冷延430とステンレスラインで作る430-2B(光沢仕上げ)ではまったく光沢が違います。
また意匠性を持たせるためにさらに鏡面のような仕上げや細い均一なスジをつけたヘアラインという表面仕上げ
もあります。
写真は鏡のように後ろが映り込んでいるのがSUS430-2Bという品種です。
その後ろの光沢のない材料がSUS430タンデム冷延です。