材料の面を垂直方向両側から、少しの隙間をあけて、ある圧力以上の力が加えると材料のせん断が始まります。
このまま圧力をかけていくと素材が伸びていきますが次第に耐えきれなくなり、破断してちぎれてしまいます。
いわゆる「打ち抜く」というのは、このような状態を経過しながら切断する事をさしています。
右図の隙間寸法をクリアランスといいます。
(図の場合、片側クリアランスという言い方をする場合もあります)
クリアランスは素材の硬さや板厚によって最適な値があり、値が小さすぎると金型かじり(金型の破損)を起こしてしまい、値が大きすぎると大きなバリが発生したり、抜け落ちなかったりします。
板厚の薄い柔らかな材料は小さなクリアランスの金型を使う事がイメージできると思います。
小さなクリアランスの金型を使用する為には、機械の金型をセットする部分が高精度でなければならないことになります。
当社では鋼板(SPCC-SD)の片側クリアランスを下記のように設定しています。概ね板厚の10%程度となりますが、材料の硬さや金型の形状の複雑さによって多少増減し調整します。
板厚 | クリアランス |
---|---|
t1.0 | 0.1~0.13mm |
t1.6 | 0.13~0.15mm |
t2.0 | 0.15~0.2mm |